心臓
武漢肺炎(新型コロナ)の影響下にある今日、福増廣幸医学博士がいてくれれば・・・。


かなわぬことだが・・・。


ふくますひろゆき。


この人を知っているという人はそう多くはないはず。


この人は30代前半で日本トップスリーの心臓血管外科医となり、当時世界最先端の人工心臓研究所の一つであったアメリカ、ユタ州立大学医学部のコルフ研究所に留学し、たった2週間だった動物を使った人工心臓での生存実験世界記録を一気に6ヵ月に伸ばした人だ。


その実験データが基になり、1982年には「月面到達にも匹敵する人類初の大快挙」と謳われた「完全埋め込み型の人工心臓の人体臨床」が米国で成功した。


その他にも「乳がんでも病巣以外はほとんど切り取らない温存手術」を米国で流行らせた人でもある。


大きく廓清しても病巣部とその周辺だけにとどめても患者の生存率に差はなかったのだ。


そんな福増博士と出会い、博士が亡くなる直前までの6年間、私塾で直接教わった私の手元に博士が残した本がある。


『最新医学が解明する奇跡の「触手療法」』


「・・・慢性筋肉疲労が病気を作る!・・・」


「不眠・肩こりから現代病まで触手療法があなたを救う!」ともある。


福増博士は医学部に入学する前から、そして人工心臓の世界的権威となって世界中を飛び回っている間も、医師になる前から持っていた病気全体の原因は何かと言うことをずっと考えていた。


そして博士としては臨床結果も踏まえて到達した結論が人体に広く存在し、現代医学が未知である慢性筋肉(系)疲労だった。


博士は8年かけて臨床例を積み上げ、その後2年かけてまとめて発表する予定だったが9年目に自ら言っていた「こうなれば助からない」という状態に陥り、亡くなった。


結局、博士の生涯をかけた研究の集大成は博士の二冊の本と、いま私が西陣織会館のカルチャースクールで伝えている弛緩誘発体操となった。


一冊目の著書の「まえがき」にはこうある。


福増博士いわく、

  • 迷信のような民間療法が、臓器移植まで可能になった今、皆が注目するのはなぜだ。

  • 現代医学は実証性と成果を過大に評価しすぎ、なにかを早とちりしている可能性があるのではないか。

  • 医師の知識が知るべき知識の5%程度であるとしたら、現代医学のほとんどの解釈が正反対の誤解をしている可能性さえある。

  • 血液やリンパ液が流れるのは心臓という血液ポンプが駆動する力によると考えている人が多いが実際には違う。静脈内の血液やリンパ液の流れには心臓からの力はほとんど働いていない。

  • 自律神経の働きもほぼ知られていない。まして、慢性筋肉疲労についてはその存在すら知られていない。

  • 誰も骨格筋(いわゆる筋肉)の未知の真実を知ってみると大変な誤解が現代医学にあったことに気づかざるを得ない。

  • その真実に気づいて適切に対処すると、現代医学が不治ないしは難治の病と考えていた病気が、きわめて容易に完治したりする。

  • 実際、容易に治る病なのに、従来の知識に基づき正しいとは言い切れない治療例が非常に多いことに気づく(1994年の段階です)。

  • 自然治癒力でいずれ治るかなお生き永らえられるはずの方を誤った方向に導き、かえって短時間のうちに死に至らしめている場合も少なくない。人類にとってこれほどの不幸はないだろう。

などなど・・・・。

現代医学は原因と結果が反対になっている(福増博士の指摘)

現代医学は原因と結果が反対

現代医学自身は、判断は厳密な検査結果に基づく。医学的根拠のない治療法など現代医学には存在しない。
数百年の長きに渡って積み上げてきた医学的研究の成果の上に立脚しており、特に近年の精緻な科学的成果そのもので成り立っている、と見ている。


片や、福増博士から見た現代医学は原因と結果が反対になっていることがあり、誤りを含んでいる可能性すらある、としていた。


現代医学については説明不要でしょうから現代医学から福増博士の療法を見るとどう見えるかというと、
「指圧自体よくわからないのに指圧とどう違うのかも分からない」「見ていても何をしているのか分からない」「筋膜療法とどう違うのか分からない」「治療と結果が結びつかない」「そもそも慢性筋肉疲労とは何なのか分からない」「現代医学に指摘されるような穴があるとは思えない」ということになるかと思われる。


今度は反対に、福増博士から見た現代医学の治療法がどう見えていたかと言うと、「全身の血液組織間液が心臓だけによって循環していると考えているため、多くの矛盾が生じている」「骨格筋に手で実際に触れてみることをしないため、正常異常の区別がつかず、平均値を正常値としているため却って健康を損なうことがある」「原因と結果の取り違えが多いため直せるはずのものが難病になっている」というものだった。


これら、福増博士の考え方は、一つ一つが何を言っているのか説明が要るだろう。

Ⅱ型糖尿病の場合、血糖値が高いのは結果であって原因ではない

福増博士のやり方に従って、体内でインシュリンが作られているのにインシュリンの働きが悪いⅡ型糖尿病の方を施術し、慢性筋肉疲労の弛緩を充分に誘発できた場合、実際に血糖値が下がった。


私の場合、70代の男性を2017年5月16日から8月23日までの間に77回の施術を行い、前年2016年11月2日に9.2だったA1c値が、2017年6月7日に8.4となり、2017年8月2日には6.9まで下がった。


残念ながら開始直近の値は不明なのだが、家人からは血糖値は9前後のままだったと聞いており、血液検査をしていた主治医の認識も一致していた。


血糖値の変化の前後の違いは私の施術が加わったことだけである。他は何も変わっていない。


この方の主たる病名は糖尿病ではない。今は直接関係ないのでここでは記さない。


福増博士本人は多数の糖尿病の方を施術しており、私のような回数を必要とせず、はるかに少ない回数で全く服薬やインシュリンの自己注射をしなくていい状態になった人の例も1997年に上梓された著書に記されている(臨床総数は少なくとも2万4千人。実際はそれより1万人は多かったはず)。


行ったのは福増博士も私も触手療法という、慢性筋肉疲労に陥った筋肉が自ら弛緩するのを誘導する福増博士考案開発の手技療法である。私の被施術者さんは医師にもかかっており服薬も受けていたが私の施術前は血糖値に変化はなかった。


福増博士はⅡ型糖尿病については以下のように説明していた。


福増博士が発見し、治療法も完全に確立した慢性筋肉疲労の状態※になると、インシュリンの働きをを阻害する濃度でアドレナリンが常に分泌されるようになる(※、後の「博士が根本原因とした慢性筋肉疲労とは何か」で説明する)。


そのために細胞内に糖分が入らなくなり、血液や組織間液の血糖値が上がったまま保たれる。
細胞内で必要な糖分が減ったままになるため糖尿病の症状が出る。


つまり、高い血糖値は結果であって原因ではないというのが福増博士の臨床も含めた結論。
従って、やるべきことは血糖値を下げることではなく、患者さんの身体にできた血糖値を上げる状態を解消することであり、福増博士が実際に効果を上げた方法は慢性筋肉(系)疲労を解消することである。


それに従って福増博士と同じ方法をとる機会に恵まれたところ、実際に下がった。


福増博士の説明と現代医学の理解がどれほど食い違っていても臨床結果は変わらない。


福増博士は常に「方法は見つけたが生涯をかけてもできるかどうかどうか分からない原理の追及を行う気はない。それはやりたい人がやってくれればよい」と言っていた。


「事実は認めざるを得ない。納得するかしないかはその人の自由だが科学は事実を認めるところから始まる」ということである。

骨粗鬆症にカルシウムを摂ったら悪化した

骨粗鬆症にカルシウム

’骨粗鬆症は骨密度が下がった状態だ。原因はカルシウムの不足と考え、カルシウムを摂取することが根本的だとされている。


福増博士の観察結果では、カルシウムを摂取すると却って骨粗鬆症が悪化したということだ。
骨粗鬆症が起きている個所は骨格筋ばかりか、その症状が出ている個所をくるむような靭帯や骨膜などが慢性筋肉(系)疲労状態になっており、カルシウムを吸い込み続けてさらにその疲労を強めていることが触れて探れば明確にわかる。


骨の輪郭とは全く異なるものが分厚く覆っているので知っていれば誰でも探ればそれとわかる。
私は骨密度が下がっていた高齢の女性を毎週施術を行った結果ではあるが一年ほどで「誤差ではない」という骨密度の上昇がみられた。


福増博士は「骨粗鬆症の箇所に密着し、固くくるむように存在する慢性筋肉疲労を取っていけばカルシウムが密度の下がった骨に入っていく」と言っていた。


臨床例には恵まれないが、やってみた限り事実である。

風邪状態を回復だと結論付けたそのわけ

風邪状態を回復だと結論付け

通常、熱があってだるく、ふらふらして集中力がない、筋肉痛があって食欲もなく、下痢もある。


特に思い当たる節がなければ風邪だと思う。


風邪になったのは免疫が下がったからだと思うし、感染したと思うだろう。


とても奇妙に聞こえるだろうが、福増博士は「風邪のほとんどは感染しないで起きている」と結論付けていた。
なぜか。


胸椎の8番付近まで慢性筋肉(系)疲労になってしまうとそれから回復するために風邪の状態になるからだと説明を受けた。


現に、風邪になって長ければ数日、熱も出るに任せていると自然に治り、固かった胸椎8番付近の筋肉も柔らかくなっているからだ。


病気なら、症状が落ち着いた後は、病気になる前よりも状態は悪くなっているだろう。


だが、治った後、かかる前よりもよくなって終わるならそれは病気ではあるまい。


回復過程だ。それ以外にはない。


ただし、福増博士は、感染するインフルエンザであっても回復に利用はできる、とも言っていた。


福増博士の言う「回復」とはTCA回路の不全による老廃物の異常滞留からの回復だからだ。


老廃物がたまれば筋肉は縮み続けようとして固くなり、半年もたてばその状態からぬけだせなくなる。


福増博士はそれを「慢性筋肉(系)疲労」と命名していた。


それがさまざまな病気の原因になる。


疲労は感染しても起きる。それから回復するときも重篤なことを起こすものに感染したのでなければ風邪状態からの回復で終わる。


武漢肺炎(covid-19)のようなものが流行っているときは、それこそ、あてはまっていれば保健所に電話して指示を仰ぎ、適切に対応することが重要になる。


話を元に戻す。


福増博士は現代医学とは全くことなる方法であるにもかかわらず、実際に症状を改善する様々な方法をつぶさに観察・実践し、それまで固かった筋肉系組織が弛緩していることに気が付いた。


だが、鍼・灸、指圧、マッサージ、温熱、手かざし、祈り、電磁パルスと方法には全く一貫性がない。


それなのに、共通した「弛緩・回復」ということが起きる。


様々な方法であっても、ある範囲内のきっかけを与えると、筋肉には自ら弛緩して正常に戻ろうとするという性質があるのではないか。


それが福増博士の結論だった。


風邪で関節や筋肉が痛むのはなぜか。下痢をするのはなぜか。喉が腫れるのはなぜか。


これらのことはこれから記す「どうすればいいのか」と密接なかかわりがあり、そちらで説明する。

博士の発見した慢性筋肉(系)疲労とは何か?

博士の発見した慢性筋肉(系)疲労とは

簡単に言えば肩こりなどの「こり」なのだが、「こり」ならそれを発見したとは言わない。


リハビリ関係の専門医も「こりですからよく運動と休憩をしておけば大丈夫です」というくらいかもしれない。


福増博士は筋肉の理想的な状態を発見していた。


だから平均的な硬さの筋肉に触れてもそれが異常であることを認識できた。


理想的な状態の筋肉はふよふよの繊維のたばで、触れれば簡単に骨の表面の感触までさぐることができる。


福増博士はなぜそれを知っているのか。


偶然、世界にもまれな理想的な状態の筋肉の持ち主にめぐりあったのだろうか。


もちろんちがう。


手で触れることできっかけを与え、筋肉を理想的な状態に誘導することができるようになったからだ。


練習は必要だが、基本的に誰でもできる。


そうやって本来の状態が分かってみると、理想からかけ離れた状態の筋肉のまま過ごしている人が圧倒的に多いことが分かる。


半年経っても凝ったままだと、生涯を通じて徐々に悪化していくのが通例である。


例外はないだろう。


それは骨格筋が第二の心臓であることと深い関係がある。


ふくらはぎだけではない。全身である。


顔も指も首も胴体もどこもかしこもだ。


毛細血管になるともう心臓からの圧力は失われていて、心臓の働きで毛細血管の中に血液を通すことはおろか、吐き出すことも不可能。ましてやそれが集まって静脈になってから再び圧力が復活することはない。


全てが伸縮性の全くない金属パイプなら最後まで圧力は失わないだろうが、毛細血管と静脈の断面積は大きく変わる。


筋肉に血液が届くころ、血管は毛細血管になっているが、吸い込むのも筋肉が自分で行う。通過させるのも筋肉。吐き出すのも筋肉。さらには静脈血を心臓までもどすのも骨格筋。だからこそ骨格筋は第二の心臓だと博士は言ったのだ。余談だが、博士はTVで説明したとき、これだけ心臓から遠くても血液が戻ってくるのは筋肉が戻しているからだということを説明したくてふくらはぎの絵を使った。これが「ふくらはぎが第二の心臓」だと言われる原因となったかと思っている。


毛細血管から染み出た後、基本的に静脈には戻らない組織間液の移動もリンパ管に入った後も、全身の骨格筋の働きで心臓を超えたところまで戻っていき、胸管(きょうかん)というバイパスで心臓に戻る直前の静脈に合流する。


慢性筋肉(系)疲労の説明とは異なってくるのでいまは説明をいったん中断する。


骨格筋の中を流れる血液は毛細血管の中を通過していくが、この流れそのものが骨格筋のポンプのような働きで生まれている。


しかし、凝って固くなるとその働きはかなり損なわれていく。


凝って固くなると簡単に言ったが、固くなるのは筋肉の両端がたいていは骨やほかの筋肉などに固定されているのに短くなろうとし続けるからだ。


TCA回路内を含む生理学的な説明はまたほかの項で行うが、いったん、慢性筋肉疲労に陥るとエネルギーを使いながらどこまでも締まっていく。


縮むのでさらに血液の通過量がさがり、流れが遅くなっても細胞の酸素消費量は変わらないので酸素不足になり、必然的にもっと縮んで通常の限界を超えてさらに縮み続ける。


脊柱側弯や円背、外反母趾などが目に見える慢性筋肉疲労の結果である。


ほかにも、近視・遠視、難聴、高血糖、平衡感覚失調、脳圧の異常亢進、腹水、顔のしみ、薄毛・脱毛などなど。多くの疾病の直接的な原因となっている。


博士の本には実際にやってみて効果が上がった疾病について記されている。一冊目と二冊目では視点が変わっており、自律神経の感覚受容器が骨格筋であったという仮説に到達している。


これまで自律神経の切り替わりは何を基準にしているのか分からなかったとされているのだが、博士は施術で慢性筋肉疲労の状態を改善すると自律神経の誤作動が改善されることからそのように仮説とはいえ結論付けていた。


これも、非常に高い相関関係にあるが、原理の解明には人生をかけないという立場だった。


福増博士の死後、遺伝子疾患であると分類されているものも多数ある。だが、遺伝子操作などしない博士の手技療法で現実に改善したり治ったりしたのも事実だ。


納得するしないは無関係。


まずは事実の認定から。それが福増博士の基本姿勢だった。

慢性筋肉疲労を解消するにはどうしたらいいのか?

慢性筋肉疲労は凝りによる筋肉内の血行通過量の低下から起きる。


つまり筋肉の固さを取る(筋肉の自然な弛緩を誘発する)ことが根本的な解消になる。


ただし、筋肉は伸ばそうとすると伸ばされまいとする。


力が加わると損傷されまいとして力が入るようにできている。


伸びるのは神経で伝達される命令に従い、自ら伸びるのを許すときだけ。


そのように工夫された動作がある。


弛緩誘発体操と言ってもいいのだが、鍛えたりヨガのような目的で行うものとはかなり要点が異なる。


顔面鼻梁から始まり、目の周囲から耳に行って頬。また目の下に戻って耳回り。そこから胸鎖乳突筋や側頭筋を行って下顎骨関連。頭頂から後頭部下まで。終わるのに30分から40分。


その後、片腕ずつ左右両腕。両肘を後ろに引きつつ、のど元を上下左右に弛緩誘発。


胴体全体の弛緩誘発を呼吸を利用して。


ここまで正座で。


これ以降、仰向けで先に下肢を片方ずつ。腰そらし。胸の下に軽く座布団あてて胸反らし。


首に後頭部が着くくらいの太さの筒枕を当てて首の弛緩。


左右側臥位で上肢の旋回による上肢帯の弛緩誘発。


全部やり切ると50分くらい。


動作は映像がないと分からないのでこれはカルチャースクールでお伝えするしかないと思う。


動作以外にはサプリメントに有効なものがある。


合う合わないもあると思うが、わたしは製薬会社の痛み止め用のサプリメントや目のピント調節に効くというサプリメントを薦めている。


あくまでも福増博士の考え方を当てはめた考え方だが、人は、毒ではないけど多すぎると体には要らないものを摂ったとき、それまで細胞内にあった老廃物も一緒に捨てるということをやるようだ。


ただし、細胞外は体内である。


細胞内の老廃物が一気に体内の細胞と細胞の間に出ればどうなるか。


うまく下痢にするしかないのだが単なる不調だと思って下痢を止めてはいけない。


博士はよく「出るものは出してください」と教えていた。


細胞内の老廃物を細胞外へ捨てたとき、細胞と細胞の間を満たしている組織間液に捨てることになる。


この組織間液はもともと毛細血管から常にしみだしている。


毛細血管から酸素や栄養を貰わないと細胞は生きていけないが、たいていの細胞は移動できず、毛細血管から離れている。


だから毛細血管から常に酸素と栄養素を含んだ組織間液が染み出してすべての細胞の間を流れて届けているのだ。同時に、細胞は老廃物と二酸化炭素を組織間液に捨てている。


この組織間液は静脈には戻らない。


全てリンパ管に吸収される。


血液は心臓から出て心臓に戻るが、1リットルでてもそのうちの何ccかは、血管とは違う、別系統を通って心臓に戻る直前で血管に合流して心臓に戻る。


静脈血よりもはるかに遅いペースで迂回路であるリンパ管を通って戻っていく。


つまり、動脈⇒毛細血管⇒静脈、は枝分かれしても一本につながっているし、赤血球は血管から漏れない。


しかし、リンパ管は心臓からは出ておらず、心臓のすぐ上のあたりで合流するまでは戻る一方の構造をしている。


そのため、組織間液に捨てられた老廃物が肝臓腎臓を傷めるほどの濃度でも、いずれはリンパ管に戻ったあと肝臓腎臓に届いてしまう。


それを避けるため、身体は途中で体外へじかに捨ててしまうという非常手段を取る。


その体外とは大腸の中のことだ。


大腸の中に捨ててしまえば一気に外部へ捨てることになる。


その捨て方だが、大腸の上行結腸と下行結腸にびっしりとへばりついているリンパ管の中身を大腸に捨てる。


この大腸にびっしりとへばりついているリンパ管は下肢から登ってくるリンパ管である。


その中味も下肢から登って来る。


つまり、一旦、心臓に戻った血液のうち、肝臓や腎臓に送られて通過したものは処理や排泄が進んでいるが、排泄されなかったものや処理が終わったものは静脈血として心臓に戻ることになる。


肝臓腎臓に回らずに全身に回った血液の内、特に下肢に流れてきた血液が毛細血管から染み出したあと下肢の細胞の老廃物と、もともとあった老廃物が合わさって組織間液として下肢のリンパ管に入る。


下肢のリンパ管に入ったあと、そこを流れるリンパ液の中の老廃物と認識されるものの量が体が決めた基準を超えたとき、大腸の中に捨て始めるようだ。


その時、お腹に触ると氷のように冷たくなっており、強い腹痛を感じる。


いわゆる水様便となって激しく下る。


私はこれが起きたときは、浸透圧を変えずに失った水分を補えるよう、暖かいめんつゆや塩昆布茶を満足できるまで飲むようにしている。


あとは日常的な弛緩誘発動作を折に触れて行うようにしている。


また、正しい姿勢と言われるものも続けていると正しくはなくなるため、こまめに体の軸を変えたりして座っている。


身体は冷やさないことも守っている。


水分は多くとる(アルコールによる脱水に注意)。


好きな運動をできれば毎週する。


血液中の鉄分濃度には気を付ける(鉄不足は酸素不足になるので)。


慢性筋肉疲労を助長する呼吸法はしない。


全て福増博士の教えに従って、こういったことに気を付けて過ごしている。


今の私にはこれ以上の解消法に従った生活は見当たらない。


この項はこれで終わるが、博士の教えに従ってまた今後も細かく記すこととする。